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体内(卵管内)で受精が成立していることをどこまで信じるか?
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自然妊娠では、卵子と精子が卵管の中でタイミング良く出会うことにより、受精という現象がおき、さ
らに一定時間卵管の中で育まれてから子宮へ輸送され、子宮内膜に着床して妊娠が成立します。 排卵がきちんと起きているか、あるいは精子がしっかりと子宮内へ進入しているかは、診察して確認 することができます。しかし、排卵した卵子が卵管へ取り込まれて卵管の中で本当に精子と出会ってい るのか?また、本当に受精が成立しているのか?このような卵管の中の出来事はいくら検査をしても残 念ながら見届けることはできません。いわば、卵管の中は「ブラックボックス」であるとも言えます。 |
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卵管の形態はわかるが、機能はどれだけ検査しても決着はつかない。
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卵管は、妊娠が成立するまでに、たくさんの仕事をこなす働きものです。
まず、排卵によって卵巣の卵胞から腹腔内に放出された卵子を、卵管の先の卵管采と呼ばれるとこ ろでキャッチし、卵管の中に誘導します。そして精子との受精環境を提供した後、受精卵を育てなが ら、子宮まで輸送します。 一般診療で行われる検査のひとつに、子宮卵管造影があります。子宮内へ造影剤を注入してX線 撮影を行い、子宮内腔の状態や卵管の通過性と形態を調べる検査です。しかしながら、上で述べた ような卵管の機能までは調べることはできません。 さらに、おへその近くから内視鏡を入れて骨盤内を直接見る腹腔鏡検査もありますが、卵管の形態 やその周囲の状態を詳しく観察することはできても、やはり卵管の機能をすべて把握することは不可能 です。 |
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体内受精かそれとも体外受精か?妊娠するにはどちらかしかない。
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不妊治療の内容は、複雑で難しく感じるかもしれません。そこで、まず、上で述べてきた、自然妊娠
の過程をもう一度イメージしてみて下さい。精子と卵子が卵管の中で出会って合体(受精)して赤ちゃ んのもと(胚)となり、その胚が子宮に着床すると妊娠が成立します。 この過程のどこかに問題がないかを調べるのが不妊症の検査であり、治せる問題はできるだけ治し、 治せない場合は、現状のまま最短距離で妊娠成立を目指すのが不妊症の治療なのです。 例えば、受精がおこなわれる場所をポイントに治療法を分類してみると、妊娠するためには、卵管を 使う「体内受精」か、卵管を使わない「体外受精」か、どちらかしかありません。タイミング法や人工授 精は「体内受精」で、体外受精・胚移植や顕微授精は「体外受精」というわけです。 |
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最終的には卵子の質が重大な鍵、それは残り時間(年齢)との戦い
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体外受精・胚移植による年齢別の妊娠率を分析すると、37歳〜38歳を境目に、少しずつ低下し
ていき、40歳を超えると妊娠・出産への道はとても厳しくなります。 この原因は、卵子の質にあると考えられています。卵子の質の向上のために、様々な研究がなされて いますが、未だ画期的な治療法はありません。不妊の原因が何であっても、最終的には、妊娠率は卵 子の質、つまり年齢に依存することになりますので、特に30代後半の方は、時間を有効に使って治療 を進めることが大切であると言えます。 |
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不妊原因の診断は難しい。診断よりも判断と決断も必要。
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不妊原因を明らかにして、適切な治療法を選択することは重要ですが、妊娠のメカニズムは未知の
部分が多く、科学的に明らかにできることは、全体のごく一部にすぎません。どれだけ検査をしても原 因がはっきり特定できない原因不明不妊(機能性不妊)の方も多くいらっしゃいます。 精子や卵管に問題があって、体外受精・胚移植に進むことは納得しやすいのですが、原因不明なの に体外受精・胚移植に進む決心をするのは容易ではないかもしれません。しかし、妊娠が成立するた めに卵管内「ブラックボックス」で起こっているべきことを代行する体外受精・胚移植は、原因不明不 妊に対する有効な治療法でもあります。 不妊治療は長期戦になることも少なくありません。不妊原因の診断がなかなかできなくても、状況を 判断して、治療法のステップアップを適切な時期に決断することも重要です。 |
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